Y.SO.14

 

「ダメよぉ、レビン坊ちゃん」

 

 喉の裏側から絞り出したような、妙に黄色い重低音。

「会長が心配していたわぁ。早く無事な姿を見せてあげて?」

 暗く毒々しいドロッドロのスムージーに蛍光イエローの着色料を入れたような、まさに男の裏声というべき違和感の塊が魔王をけん制し、勇者を救う。

 

「先生……」

 平和維持活動法人HERO専属講師クイーンが、開け放たれた魔王城の大扉の下に立っていた。モノクロのピンヒールがカツカツと音を立てる。少し乱れた前髪が左目を覆い隠し、現れたアメジストの右目は城内の様子をとろりと見つめる。

 キメラ生存の宣言を受けてすぐさま駆け付けたらしい、熱い息をこぼしたその姿は、焦りながらも静かに魔王を一瞥し、そしてすぐさまレビンの手を引いた。

「先生、待ってくれ、俺まだ……」

「あらでも、それ以上やるようなら、きっと殺されたわよぉ?」

 振り返ったレビンの目をまっすぐ見つめ返し、クイーンは首をかしげる。紫色の視線をあからさまに誘導し、指し示した先には。

 

「おや、気づいていましたか」

「……司、」

「アランさん止めないでくださいね。ほら、そろそろ夕飯の時間ですから」

 

 魔神リヴァイアサン・司が、ギラリ、水でできた巨大な弓矢を狙い定めていた。魔王に明るく話しかけ、くふくふと笑みをつくる表情と、今にも放たれそうな敵意の鋭さがどうしてもミスマッチで、しかしこの異常さが司という存在を何よりも体現している。

「え? なんで……、」

 ヒュン。

「僕は最初から言っていたはずです。さっさとお帰りください、と」

 ガッ。足元をえぐる透明な矢は太く、床に突き刺さった後も勢いを殺せず振動する。慌ててレビンが下がるのに合わせて、また一本の水の矢が足元を追った。

「い、嫌だ! 俺にはまだやることがある!」

「僕らにはありません。お迎えが来たようですし、今日のところはこちらも見逃しましょう。今はまだ勇者筆頭を殺すのは得策ではないようですし」

 司の笑顔は、有無を言わせない。

「そうよぉ、今はまだ、坊ちゃんが魔王と戦う時ではないわぁ。勇者はまだまだレベルを上げて、ちゃんと準備を整えてからラスボス戦に出向くものなの」

 クイーンが言い聞かせるように引き留める。

「……アラン! アランは!?」

 蒼海色の目はすがるように黒を見た。アランは戦えと言った。魔王と勇者は殺し合うもの。そこに同意はできないが、ならば自分を、勇者を見逃すなんて。

 

「……興ざめだな」

 

 だが、ゆっくり息をついた冷たい戦意は、もうすでに鳴りを潜めていて。

「よく考えたら、コイツ倒しても金は巻き上げられないんだっけ」

 勇者として、働いてもいないもんなぁ。ギラリ、嫌悪にゆがむ金色の目は勇者筆頭を睨むも、しかし戦闘の気配は遠のいていく。

 レビンは、泣きそうに開いた口を一度ぎゅっと引き締めて……肩に手をかけるクイーンの爪を振り払った。その剣先を、再度魔王に向ける。震えを止めた唇が、もう一度強く叫ぶ。

 

「『太刀筋は、言葉よりも雄弁だ』……剣を交えたら、相手がわかる! 俺とアランは、絶対に分かり合えるんだ! だからっ」

 

 戸を開けろ。端的に命じるアランの声は聴く耳を持たない。

 坊ちゃん、暴れないでねぇ。クイーンが耳元でささやくと同時に、レビンの体が硬直する。足が勝手に動く。

「決着は、次会った時に。……その甘い根性直してから来い」

 進む先、のろのろ動く足が向かう先には、魔王城の大門。静かな魔王の声が、遠ざかっていく。

 なんで。

 なんでなんだよ。せっかく、やっとこの場所まで来たのに。結局、なにもできないまま、なにも改善しないまま、帰るなんて。

 レビンはこぶしに力を入れる。クイーンの魔法による拘束を強引に引きちぎり、振り返って大広間に戻ろうとして。

 

「まったく、いちいち戦うことに理由がないと、まともに剣も揮えないのか?」

 鼻先に、……いつ拾ったのか、翡翠色の矛が突き付けられていた。これ見よがしにため息をついたアランはすぅと目を細め、「ならば理由をやるよ」とこぼす。

 理由? 嫌な予感がするその響きを、レビンが小さく復唱し顔を上げた直後に。

 

「俺は、……戦うために造られたキメラだ」

 

 お前たちが倒すと豪語する、本物のモンスター。

 アランの楽しげで試すような目が、レビンを見据える。告げながら矛を腕輪の形に戻し、手首にかけて「ほら」と言い募った。

「……嘘だ」

 反射的に、レビンの口から否定が飛び出る。だがその視線は、アランの腕から逸らすことができない。

 さっきまでは普通の、いわゆる一般的な人間の形をしていたアランの右腕が、黒い、堅くいびつな黒のうろこに覆われ、人間のフォルムを消し去り、その指先には鋭くとがった竜の爪が。

「だって、ついさっきまで…!」

 なんだこれは。

 レビンは目の前の現実を信じることができなかった。

 大理石囲む魔王城の大広間。魔王の魔力と、魔神の殺気、魔女の警戒に晒されて、空間は異様な空気に浸されている。

 ニィと笑みを浮かべて、アランは異形の右手と腕輪がかけられた左手を正面に並べた。対比されるとさらに明らかだった。色、サイズ、印象、皮膚の触感も、おそらく耐久性も、何もかもが違う、おぞましい化け物の腕。

 一部分だけが異形と化すというその姿は、先ほど子供の姿で見たキメラと同じ。

 

「…………っ!」

 レビンが言葉を失う。さっき自分は、なんて言った?

「『キメラなんてただの魔物にすぎない。人を脅かす魔物は、俺たち勇者が絶対に倒す』……だっけ?」

 よかったなぁ、これでお前も、俺を殺す理由ができた。

 声は、口調は、同じだった。爛々と光る金の目も、同じだった。黒のコートも、二本の鎖も、最初から何も変わりないのに。

 腕だけがその異常性を表に出した。

 もちろん、腕だけがキメラになるわけじゃない。まぁ、今はこの部分だけで十分だろう? 出し惜しみを楽しむかのようなアランの言葉など、レビンには入ってこない。

 

 キメラは、生み出された化け物。

 世界の人々の平和のため。

 キメラは排除されるべきだ。

 アランとなら、分かり合える。

 魔王という絶対悪。

 魔王と勇者は、殺し合うものなのか。

 だが、自分は、アランと戦いたくない。

 

 レビンの頭に様々な感情と事実が浮かび上がって、まとまらずに澱んで沈む。

 魔神司が、講師クイーンが、レビンの退出を促す。

「勇者筆頭が魔王城に行っただなんて、アタクシとっても心配しちゃったじゃない」

 魔王とその仲間へのけん制は崩さず、男の裏声は甲高く大広間に響いた。

 心底安心した、と匂わすその口調は未熟な勇者筆頭の安否を気遣うようでいて、しかし『レビン』という個人の心配はしていないことを、褐色肌の青年は知っている。

 レビン体から力が抜ける。……駄目だった。今日はもう、駄目だ。

 しかし蒼海色の目は希望を絶やさない。何度でも。あきらめるな。次のチャンスを待つんだ。時間ならある。決意に満ちた瞳が、一度だけアランを振り返った。

 だがその希望すらも打ち砕くべく、男は追い打ちを放つ。強い光を目に称え、仲間を従え、異形の姿を持ち、悠然と立ちはだかる。腰に人型の腕を添えて、黒の塊と化したもう片腕で肩をすくめる。

 

「そうだ、お前はラグナロクで尋ねていたな。『前任の勇者筆頭、セト・バニラエッジは本当に魔王が殺したのか』」

「…………っ!」

 

 それは、一九年前のラグナロクで問いかけた違和感。

 あの時、師匠を殺された恨みを剣に乗せたレビンを、魔王ミラージュ=アランはどこか納得して見ていた。そして試合を引き分けた直後に勇者が感じたのは、「この男が本当にそんなことをしたのか?」という直感と情報の不一致。

 しかし、レビンの質問に回答は与えられなかった。思い出されるのは、黒のコートを翻して無言で立ち去る魔王の後ろ姿。

 

「……愚かな男だったな。足手まといを引き連れて魔王に挑み、この魔王城で、俺の目の前で、あの男は血に沈んだ。……とすると、そうかなるほど、俺は師匠の仇でもあるわけだ」

 

 よかったなぁ。とアランは再度うそぶく。

 俺を殺す理由がたくさんあるじゃないか。とアランは嬉しそうに言う。

「…………」

 レビンは何も言えなかった。

 やはり師匠は魔王に殺されたのだ。即座に心に黒い感情が浮かぶ。同時に、そうやって戦う理由を見つけ出しては楽しそうに笑うアランの心理が、まったく理解できなくて。

 恨み、悲しみ、苦しみ。レビンの顔に陰りを指す。悔しそうに唇をぎゅっと引き締め、しかしそれでも風前の灯火のようなか細い一言を残す。

 それは信じ込むように。

 それは言い聞かせるように。

 

「それでも俺は、アランとなら分かり合えるって、信じてるんだ……」

 

 勇者筆頭レビン・アールヴヘイムは、魔王城を後にする。

 

 

     ***

 

 

 半壊滅している大広間に漂う、しんと已(や)んだ空気。ところどころに散らばったガレキくず。そして砂埃。石が砕かれてできたソレは、朝にはなかったものだ。

 被害が大きいのは床だった。姉の斧に叩き付けられること数回。アランの矛がかすめること数回。あとは、数日前から玻璃也に仕掛けられた罠による器物破損が、今になってようやく目立ってしまっている。

 ガタン、ガタン。

 大門が閉まっていく音。砂が混ざっているのか、滑りの悪い音が不快で、加えて床がさらに傷ついていくのが分かってげんなりする。

 

 あー、修繕費にどれだけ割り当てようか。

 

 大門から入ってすぐに広がる大広間は、いわば魔王城の顔。その修繕ならお金をかけてでもしっかり、と言いたいところだが、果たして予算が残ってたかどうか。残ってなければどこかの予算を削るしかないが、もうあと削れるような部分があったかどうか。

 無言で周囲を見定めていたアランの目が、さらにすぅと細まる。

 結論。金がねぇ。

 特に今日の事件は完全になんの収入も入らないタイプの、いわゆるタダ働きというか、なんであんなのの対応に丸一日も費やしてしまったのだろう。

 重苦しい溜息をつく。

 しゅん、とうろこに覆われた異形の腕が元の人型に戻った。レビンに見せるためにキメラ化させたような腕だが、実質は『人型が保てなくなったから変形した』が正しい。姉と勇者の二連戦。今日は疲れた。

 俺も、まだまだ。

 ずくり、ハルバードがかすめていったわき腹が今さらながらに痛みを発し始める。

 ん? 待てよ。ここまでしておきながら、今日終わった仕事って……。

「アランさん、そういえば、今度の報告書ってもう終わったんですか?」

 そう尋ねたのは救急箱を持った司。腹の傷を診ながら世間話のように口に出す。

「…………」

 アランは額を抑えて無言で首を振る。司の「あー、」という棒読みの感嘆から、思いやりのある気の利いた一言が。

 

「残業決定ですね」

 

 思いやりどころか気遣いもなかった。

「まぁ夜食ぐらいは作ってあげますよ」

 ワンテンポ遅かった。

 笑顔で食堂の奥に戻る司に「あぁ、うん」とだけ返事をして、自然素材で染めたエルフ装束を見送る。いやまぁ、うん、この時間は司も忙しい。給仕長も兼ねる司は夕飯の準備に追われるのだろう。時刻はもうすでにデッドライン。さて、用意が終わってない夕飯はメニューが減るか、時間がずれるか。

 自分のことを棚に上げてつらつらと考えていた矢先に。

 ドン!

 懐に飛び込んでくる深緑の塊。普通に痛い。

 

「アラン、玻璃也(はりや)がいないのだ! どうしよう、みことが見てなかったから……」

 

 Tシャツにしがみついた二本の角が見える額を、アランは無言で押し返す。ぎゃぁぎゃぁと騒ぎながらバタつかせるみことの腕は、しかしリーチの差でアランには届かない。生地も形状も合致しない「ぽろしゃつ」の文字が鼻で笑う。

「お姉さんもいないわ」

 しゅるり。視界の端に赤が落ちた。着地する床にツルが伸びて、直後薔薇の香りが降ってくる。

「ツナミ」

「相変わらずというか、ずいぶん神出鬼没な人ね」

 片眉を上げながらからかうように言う花人の手には、いまだハードカバーの分厚い書物が残っていた。ミネルヴァの連絡をも受け止めた古いグラムノート。古来より通信用のマジックアイテムとして使われてきた書物は、アランが来客応対中に役目を果たしたらしい。報告書の不備にかかわる処理はほぼ終わったとのことだった。

 

「そうじゃなくて! 玻璃也がいないのだ!」

 

 深緑色の頭上でやり取りされる業務報告を遮って、みことは声を張り上げる。人、というかキメラだが、ヴィランズのメンバー一人がいなくなった。大問題だ。早く探さないと…! ほうじ茶色の目が必死になる。なんでアランはそんなゆーちょーにしてるのだ。ほうじ茶色の目が怪訝にゆがむ。

「あー、」

 それに対して、アランの返答はあまりにも無感動だった。少しだけ目を伏せて、なんて説明しようか考えた沈黙は、しかしすぐさま気遣いを放ってありのままを口に出す。

「玻璃也は、おそらく姉貴が連れて行った」

 オブラートなんかなかった。苦い薬が直接みことの舌に乗る。みことはその苦みにぎゅっと顔をしかめ、反射的になんでと言いそうになるのを耐える。

「……アランは、それでいいのだ?」

 探るようにゆっくり口に出したそれは、疑問ではなく確認。

 ああ。嘆息するアランから、端的な一言がこぼれる。

「仕方ねぇよ。俺も、どこか別のところに避難させようと思ってたし」

 魔王は吐き捨てるように続ける。その表情は完全に納得したものでありながら、そうするほかなかった若干の悔しさがにじみ、あの姉に頼らざるを得なかった憤りも含んでいた。

「ウチじゃできないことも、やっぱりあるからな」

 

 この魔王軍組織ヴィランズは、職場にして社宅でありながら、しかし教育機関ではない。社会人を育てる分には問題ないものの、通常業務に加えて子供に学業を教えるには少々荷が重かった。

 同じくウチに来た子供だが、みことは……もういい。

 コレには、改めて勉強させることが有効には思えなかった。むしろそれぐらいなら、現場で直接仕事を教えたほうが早い。要するに脳まで筋肉でできている男は、戦闘も仕事も体で覚えさせるのが一番手っ取り早いので、勉強は捨てた。

 まぁそんな緑豆の話はよくて。

 今日の発表で、あの子供は世間の見世物になった。分かりやすいキメラの例を挙げるため、なんてのはこちらの都合。どうしようもない大人に利用された結果、少年は社会の注目を浴びることになる。本人の意思など、関係なく。

 情報屋は魔王城に確実に存在するキメラについて、あの手この手で調べ尽くすだろう。素材は誰になったのか、体から生える鉱物について、能力、危険性。

 そして、キメラという存在の価値を。

 ヴィランズの名前で守ろうにも、魔王の存在は良くも悪くもよく目立つ。注目されたいのならともかく、そっとしてほしい場合には向かない。

 だからアランは、玻璃也を別の場所に預けることを選んだ。

 

「行き先は決まってるの?」

 そう尋ねるのはツナミ。玻璃也の居場所さえ分かれば、様子を見たり連絡を取るのは容易だった。錆浅葱色の瞳が、調べようか? と尋ねる。

 いや、いい。黒衣の男は小さく首を横に振った。

「いくつかの候補は想像つくが……、姉貴の判断は俺でも読めないからな。まぁ、最終決定すれば連絡来るだろ」

「連絡って……」

 それ。人差し指がツナミの持つ書物を示す。

 ミネルヴァの来訪をも伝えた通信機材、グラムノート。もう決めたなら連絡も来てると思うが。そういって確認を促したアランと半信半疑のツナミの目下に、新着のメッセージが届いて、そして。

「ここって…!」

「まぁ、そうなるか」

 新しいページのど真ん中。見覚えのある角張った文字が伝える一言。玻璃也の預け先であろうその場所の名前には、聞き覚えがあった。

 

 ヘルヘイム孤児院。

 

「錦のところか……」

 アランは感慨深くつぶやく。そのままツナミに一方入れるように命じて、体を向き直した。

 じゃらり、首から滴る二本の鎖が正面を向いた先。

 ガタン。魔王城の大門が重低音を響かせて閉じきる。

 そして、その門を動かした人物が、困り眉を下げたまま魔王を見ていた。門を閉めることも、ほかの業務諸々も、特に何らミスはしていないのに常に不安げで、いつもビクビクと魔王の顔色を窺い見ている。

 アランはその青年の名を呼んだ。ただ名前を呼びかけるだけなのに、ニィと嗤う金の目は挑戦的で、それでいて返答に期待している。

 青年がビクリと肩を震わせた。きゅ、と唇を閉じて、揺れる瞳が返事に迷う。

 魔王は、続けて問う。

 

「『セト・バニラエッジ』と『ヘルヘイム孤児院』、……ずいぶん懐かしい名前じゃねぇか、そう思うだろう?」

 

 ……なぁ、トレノ。

 

 視線の先、縮こまって何も言えない青年は、逃げるように目をそらす。

 レビンの襲撃を伝えた魔王の部下。非営利団体魔王軍組織ヴィランズの事務員の一人が、自信なさげに突っ立っていた。

 

 

業務その6  魔王による応対マニュアル 了

 

 

 

「それで、お姉さんから封筒預かってるんだけど、」

「ツナミが? 俺宛の?」

 アランは眉をひそめて、分厚く膨らんだ紙袋を仕方なく受け取る。ツナミがのぞき込むのもかまわず、しっかり閉じられてもいない封筒から中身を取り出し……。

「……請求書?」

「しかも『グルニエ・グリエ』『ほっくほっく亭』って、……まさかこれ全部飲食

代!?」

 その合計金額、組織のひと月あたりの食費とそう大差なく。

「『我が愚弟。弟なら姉の分まで働きなさい』ってこれ…!」

 申し訳程度につけられた手書きのメモ用紙に、二人は信じられない顔を見合わせた。

「お姉さんホントよく食べるわね……」

「姉貴が常人の倍食うことと、そのツケを俺が出すことはなんら関係ねぇだろふざけんな姉貴金払えぇぇぇ!」

 

 アランの叫びは、当然届くはずもなく。

 

Colmun



読んだよ!